行ってきた 東京都現代美術館、「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展 Sol LeWitt (1928年9月9日 – 2007年4月8日)

澄んだ冬の空気が肌を刺すような、ある日の午後。私は**東京都現代美術館**で開催されている、**「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」**展を訪れました [1], [2]。

美術館の白い壁に、ひときわ目を引く大きなタイトルが掲げられています [3]。そこから一歩足を踏み入れると、そこには**「概念(コンセプト)」**が形となった、静謐で数学的な世界が広がっていました [1]。

展示室の中でまず目を引いたのは、空間を規則正しく切り取る**白い格子状の構造物**です [4], [5]。これらは「オープン・ストラクチャー」と呼ばれ、まるで冬の光を透かす氷の結晶のように、整然とした美しさを放っていました [5], [6]。

さらに進むと、壁一面に描かれたダイナミックな**ウォール・ドローイング**が目の前に現れます [1], [7]。驚いたのは、これらがルウィット自身の指示のもと、**他の人の手によって描かれている**という点です [1]。色鮮やかな幾何学模様や、黒い壁に引かれた繊細な白い線——それらは「芸術とは何であるか」という問いを、静かに投げかけてくるようでした [1], [7], [8]。

ふと足を止めると、バッキンガム宮殿やセント・ポール大聖堂を結ぶ範囲を切り取ったという、**ロンドンの地図**を使った作品もありました [9]。都市という複雑な構造さえも、彼の手に掛かれば一つの明快なアイデアへと昇華されてしまうのかもしれません。

ソル・ルウィットは、目に見える作品そのものよりも、それを生み出す**アイデアやプロセス**を重視したといいます [1]。1960年代後半から、彼はこの「コンセプチュアル・アート」の潮流を先導し、既存の芸術の枠組みを根底から揺さぶりました [1]。

外に出ると、冬の日はすでに傾き始めていました。展示室で見た**「四角形、台形、平行四辺形の重なり」**といった幾何学的な輪郭が、冷たい夕暮れの景色と重なり、頭の中でいつまでもリフレインしていました [8]。

形のない「思考」が、これほどまでに豊かな空間を作り出す。そんな知的な刺激に満ちた、特別な冬のひとときでした。

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建築,

Posted by きぬま